こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
弊社ではLEDヘッドライトのH7形状を販売していませんが、H7のLEDヘッドライトを探している方は多くいらっしゃいます。
しかし、H7形状は、他バルブに比べて情報量が少なくてよく分からないという方と悩んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回はH7バルブにスポットを当て解説してみたいと思います。
目次
内藤
島田
ハロゲンバルブH7について説明します。ハロゲンバルブの1種であり、H4やHB3等と比較してもコンパクトなバルブです。バルブ定格出力は「12V 55W」です。
消費電力の55Wは、特別高いわけでも低いわけでもありません。
標準的なバルブといえます。フィラメントはシングルフィラメントとなっており、ロービーム用としても、ハイビーム用としても使用可能です。
4灯式のヘッドランプに使用されており、クルマだけでなく、バイクにも使用されています。国産車はもちろんのこと、欧州車にも使用されています。
H7を使用している車種は、国産車であれば2008年以前の車両が多く、ハロゲングレードであれば、ロービーム用、ハイビーム用どちらの用途でも使用されています。
また、ロービームはHIDで、ハイビームはH7でというモデルには比較的多く採用されています。
ただ、最近の車両ではほとんど採用されておらず、旧型のセダンやステーションワゴンに採用されていました。代表車種としては、日産 ティアナ(J31系)、トヨタ クラウンロイヤル(17系),マークX(120系)が挙げられます。比較的最近の車両で挙げるとすると、ホンダ N-WGN(2016年 式)のハイビーム用として採用されています。
現在も輸出を前提とした国産車であれば一部の車種で採用されています。国産車では決して採用車種が多いわけではないですが、バルブ自体がコンパクトという特徴を生かして大型バイクでは広く採用されています。
国内ではクルマよりバイクの方がトータルでみると採用数は多いかもしれません。
上記では国産車を中心にH7バルブの採用状況を見ていきましたが、輸入車ではというと、近年採用数は減ってきているものの、国産車と比較するとH7を採用するケースは多いです。
日本と比較してハロゲンバルブへの需要が高いことが原因と考えられます。また、欧州車の方がヘッドランプ裏のスペースが日本車と比較し、狭いことも要因と考えられます。
欧州でのクルマのヘッドランプに求められていることとして、悪天候時の視界確保、バルブ交換時のコスト低減が日本よりも求められる傾向にあります。
これは地域差もあり一概には言えませんが、日照時間及び、濃霧発生率の関係で走行時におけるヘッドランプの点灯時間が日本よりも長くバルブ自体が消耗頻度が高いから自ずとバルブ交換時のコスト低減が求められていると言われております。
内藤
島田
上述の通り、H7のを使用している一部の車種にはバルブ後方部分にアダプターを使用している車両があります。国内メーカーでは、日産と三菱の一部の車両で使用されております。
アダプターを使用する理由はいくつか考えられ所説ありますが、最も有力な説は、H7バルブを車両ハーネスと繋ぐカプラー(コネクター)をH4規格用のカプラーと汎用性を持たせたかったからというものです。
ヘッドランプ裏の部品を既存のモノと共通にすることで、ヘッドランプ開発コストや開発納期が短縮できるメリットがあるからです。
おそらく、特定のランプメーカーが始めたのだと思われます。そうでなければ、H7が採用されている車種は全てアダプターを使用することになるからです。
一部の車両のみというのはそういった事情が隠れているのではないかと推察されます。
H7はH4と同様にバルブの固定はバネを使用してヘッドランプ本体と固定します。そのため、アダプターを使用している場合、そのアダプターの厚みが無ければ、ランプと固定できません。
その為、LEDやHIDを新調する際はLEDのアダプターが付いているのかを事前に確認する必要があります。
これは車両メーカー毎でアダプターの有無が分かっているわけではないので、必ず現車確認が必要となります。
LED製品を購入する際にも新品のアダプターが付属されているか確認が必要です。(基本的には当該LED製品毎にアダプター設定あり)
仮に付属されていない場合は、別途用意する必要があり、ハロゲン使用時のはバルブ熱で傷んでいる可能性があり、使用できない可能性がありますので、バルブ交換前に用意しておく方がベターです。
その際、信頼できるメーカー品のモノを選ぶことも大切です。万一粗悪品を選んでしまうと最悪のケースとしてヘッドランプが溶解する恐れがありますので、十分にご注意頂きたいです。
アダプターを使用していない場合はそのままLEDやHIDへ交換可能です。
アダプター有無に関わらず注意すべきは、交換するLEDのサイズです。H7はバネによるバルブ固定であり、バルブ自体には防水機能は無く、H7のヘッドランプ裏にはフタがあります。
この蓋こそが防水や防塵機能を果たしています。LEDへ交換する際は、ハーネスを通すためにヘッドランプ裏の蓋に穴あけ加工が必要となります。
コンパクトモデルであれば問題ないですが、交換するLEDに大型のヒートシンクが付いている場合はバルブに収まりきらず、蓋が閉じない状況となります。
蓋が閉じない状況での使用は、バルブの防水防塵ができず、ショートする恐れがあり大変危険です。
そのため、ヘッドランプ裏の奥行(穴あけ加工が必要なため)とLED製品自体のサイズを十分に確認してから製品選択を行って頂き、確実な防水、防塵処理を行ってください。
LED製品の取扱説明書に記載があります。
内藤
島田
どんなことに注意すればいいか説明するよ。
LED全般に言えることですが、ハロゲンバルブから純正交換タイプのLEDを選ぶ場合、格安と呼ばれる商品は選ばないほうが無難です。どの程度の金額が格安化といえば、明らかに他のH7のLEDより安すぎる場合です。
安い製品で最も危惧されるのが配光特性です。現在の車検では、1998年9月1日以降に製造されたクルマは、ロービームで車検の検査を行います。そこで、ロービームにH7を使用しているクルマは要注意です。
基本的に純正のクルマのヘッドライトに使用されているマルチリフレクターは、ハロゲンバルブの発光点に合わせて設計されています。
そのため、H7をLEDに交換する時に、ハロゲンバルブのフィラメントに近い位置に発光点となるLEDチップが貼り付けてなければ、配光特性が大きく狂うことになります。
すると、ロービームでカットオフラインが綺麗に出ないことになり、車検に合格できない不具合が起きるでしょう。
また、光量も灯具によっては不足する可能性があります。製品のパッケージにルーメンが記載されている事がありますが、これはバルブ自体の明るさを表示しており、実際に灯具に入れたときの明るさとは関係ありません。
その理由は、車検では灯具から出る光の明るさを検査するので、バルブ自体がいくら明るくても灯具と相性が悪ければ保安基準の明るさが出ないことがあるからです。
また、H7を使用しているクルマは年式が古いので、ヘッドライトのレンズが黄ばんでいても光量が落ちてしまいます。
内藤
島田
LEDだって、省電力でも電気の流れがあるのに球切れ警告灯が点灯することは、少し不親切に思うけどね。
内藤
島田
でも、一般ユーザーが球切れを知るには、フィラメントが断線して点灯しない時だから、わかりやすく電気が止まった時と話したんだ。それで、もう少し詳しく話すと、その仕組みには2種類あるんだ。
一つは、ライトに通電したときに純正バルブのワット数に対して消費電力が極端に小さくなると点灯するタイプと、エンジンキーONで、全ての灯火に点灯しない極微弱な電流を流して、球切れを検出するタイプの2種類が主な方法だね。
このように、検出できる回路を作った時に消費電力が純正バルブを下回った時に警告灯が付く仕組みになったということだね。
まあ、それが輸入車の仕様だっていうなら対策してLED化するしかない。そこで、どうやってLED化したときに球切れ警告灯を解除するか説明するよ。
H7のバルブをLEDに交換すると、輸入車では球切れ警告灯が点灯する事例が多くあります。主にBMW、Audi、Mercedes Benz、フォルクスワーゲンなどに見られます。
球切れ警告灯が点灯する場合は、LEDバルブに交換した場合のほかに、バッテリー交換を行ったときにも点灯する車種があります。また、ハロゲンバルブからハロゲンバルブに交換した時にも点灯することがあります。
点灯する仕組みは、消費電流が規定値を下回った時に球切れと判断してワーニングランプがドライバーに球切れしていることを知らせます。そこで一般的なのが、ワーニングキャンセラー付きのLEDバルブを装着することです。
ワーニングキャンセラーとは、消費電流をハロゲンバルブに合わせる仕組みのLEDバルブです。ただ、ワーニングキャンセラーなしを購入してしまった場合もあるでしょう。その場合は、抵抗をバッテリーとLEDバルブの間に入れることで、消費電力を上げれば通常は解決します。
しかし、輸入車の場合は、ワーニングキャンセラー付きLEDでも球切れ警告灯が点灯することがあります。これは、バッテリー電圧が不安定になるなど、バッテリーに劣化が見られるときに起きることが多くなります。
また輸入車の場合は国産車と違い、車両に個体差が見られ、同じ車種でもワーニングキャンセラー付きで警告灯が点灯したりしなかったりすることがあります。
その理由は、国産車ではほとんどあり得ませんが、回路を制作する過程で抵抗値が異なることが同じ車種でも輸入車には見られます。そのため、バッテリー電圧が弱い時やオルタネーター発電が弱っているときに、誤作動を起こして警告灯が点灯することがあります。
対策としては、放熱フィン付の抵抗を購入して取り付けると警告灯は消灯します。(100%改善するかはわかりかねます。また弊社では取り扱いはございません)。他販売店さまでは、「メタルクラッド抵抗」として販売されていますのでお調べください。
内藤
島田
・H7は採用車種こそ少ないが、国産車、輸入車、バイクと広く使用されている
・バルブ後方部分にアダプターのある場合と無い場合があり、事前の現車確認が必要
・LEDもしくは、HID交換時には防止防塵処理を確実に行う必要あり