こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
ヘッドライト用として様々なLEDバルブが販売されていますが、参入障壁が低いLEDは安価な製品が多数流通しているのが実情です。これらの製品は熱の影響で徐々に暗くなってしまったり、配光不良により対向車に眩惑を与える場合もあります。
一方、弊社のLEDバルブは、実用性のあるLEDを提供するという想いで製造しているため、熱や配光には十分に気をつけて製造しています。しかし、商品が良くても取付方法を誤ると正しい配光にならず、本来の性能が発揮できないことがあります。
実際に人気のH4タイプのバルブの交換方法を確認しながら、誤った取付方法だと配光がどうなってしまうのかを実験して、よくある取付トラブルを検証します。
目次
内藤
島田
これでは対向車も迷惑だし、装着した車も危険だろう。
内藤
うちの会社のLEDバルブはきっちりカットラインも出ているし安心ですね!
島田
特にH4タイプは取付ミスも多く注意が必要だよ。
内藤
島田
H4タイプLEDバルブの一般的な交換手順は以下の通りです。日本ライティングのLEDバルブの取扱説明書を元に解説します。
どの工程も非常に重要ですが、今回の取り付けによる配光の問題は「口金部をばね金具でヘッドライトに固定する時」を慎重かつ確実に行う必要があります。ここでズレてしまうと確実にバルブが正しく装着できずに配光不良となります。
また、LEDバルブを口金部に固定する時も、上下を間違えないように確実に固定する必要があります。細かな部分であっても、作業が正しく行われていない場合には、配光特性に問題が出る可能性が高くなります。
多くのH4タイプのヘッドライトは、バルブを針金を曲げたようなばね金具で固定しています。その形状や構造は車種により異なりますが、基本的な固定方法はどれもバルブの口金部にある3つのツメを溝にはめ込んで、後部を金具で押さえるパターンがほとんどです。
この時、バルブがきちんとヘッドライト側の溝にはまっていなかったり、金具の固定が不十分だとバルブは正しく固定されません。
また車には想像以上に大きな振動を受けるため固定が甘い場合にはバルブがズレてしまったり、最悪の場合には外れてしまったりする可能性もあります。
ヘッドライトはバルブをリフレクターの中心にしっかりと固定することで、はじめて綺麗な配光とカットラインが出るように設計されており、特にH4タイプはハイビームとロービームが独立していて発光する位置も異なるため、わずかなバルブの位置の違いが大きな配光不良につながります。
今回はあえて日本ライティングのLEDバルブを、意図的にズレた状態で固定して配光がどのように変化するのかを実験しました。
※間違った方法で取付けした写真
正しい装着状態の場合は、純正ハロゲンバルブ同様に綺麗な配光とカットラインが確認できます。(左側の写真)
一方でバルブ口金部のツメがきちんとヘッドライト側の溝にはまっていない状態では、驚くほど配光が乱れてしまいカットラインもまったく確認できなくなってしまいました。(右側の写真)
これでは対向車が眩しい眩惑状態になるばかりではなく、自車の前方もきちんと路面を照射できずに危険です。
ヘッドライト後部はエンジンルームの機器類やバッテリーが近いなど、スペースが狭いことが多く、簡単に固定できるバルブでも注意深く確認をしないと実は曲がって取り付けられていたり、ばね金具がきちんと引っかかっていなかったりする場合があります。
バルブをきちんと固定することは基本中の基本ですので、取付をする場合には十分注意してください。
H4タイプのバルブに限らず、多くのLEDバルブはヘッドライトなどに固定する口金部とLEDバルブ本体部が分離できる構造になっています。
これはLEDバルブの場合にはヒートシンクや電動ファンが後部についているため、そのままでは取付する際に口金を固定できなかったり、防水パッキンを取付できないなどの不具合があるためです。
分割構造となっていることで、口金部分だけをあらかじめヘッドライトなどに固定することができ、後からLEDバルブを口金に差し込んで固定することで、取付や取り外しに配慮した設計となっています。
ところがここにも注意が必要で、口金とLEDバルブ本体部は口金側の溝とLEDバルブ本体部側のピン(突起)で固定される構造となっていて、2つのピンの向きを間違えると180°逆に(上下逆さまに)取付してしまう場合があります。
日本ライティング製品ではこのピンの位置を完全に180°ではなく片方を意図的にズラすことで、決まった向きでしか固定できないように工夫されています。従って間違いは起きません。
今回は、比較的配光特性の良かった海外製のLEDバルブを使って上下を間違えた状態で取付し、配光の様子を確認してみました。
H4タイプのバルブの場合はロービーム側の下側には傘(シェード)と呼ばれる遮光板が取付されています。これは純正のハロゲンバルブであっても、LEDバルブであっても共通です。
この傘によって光を遮ることで、リフレクターの下半分へ光が反射することを防ぎ、上方へ光が散乱することを防いでいます。
実際に上下逆の状態で実験を行って、配光状況を確認するとカットラインも見えず光も本来の状態とはまったく異なる状態になってしまっています。
上下間違いが起きる構造のバルブの場合には、慎重に確認をしないとカチッと一見正しく装着できたような状態になるため、事前に向きを良くチェックしながら装着後も、ヘッドライトのレンズ側から傘が下側になっているかを確認すると良いでしょう。
内藤
整備士の鈴木
内藤
整備士の鈴木
今回の実験により、精度の高いヘッドライトバルブであってもヘッドライトへの固定方法や、最終的なバルブの取付方法が不適切な場合には正しい配光が得られないことがわかりました。
また海外製品などは上下逆でも取付できてしまうなど、ミスのリスクが一層増えます。H4タイプのヘッドライトは、日常的に使用するロービームが極めてシビアな設計となっているため、光学的にもわずかなズレを生じてしまうと配光を大きく乱してしまいます。
LEDバルブはハロゲンバルブよりは明るく、安全運転にも大きく貢献するものですが取付方法を誤るとまったく使い物にならず、車検にも通らないという状況になります。
ヘッドライトのLEDバルブ選びにおいては、安心して使用できる確かな品質のものを選択して使用することが重要ですが、取付においても気を抜かず、確実に行う必要があります。
また取付後にはヘッドライトテスターを用いた検査を受け、確実に配光の検査と調整を行ってください。