こんにちは。
日本ライティングの内藤です。
突然ですが、ドライブレコーダーの取り付けはお済みでしょうか。
昨今、ニュースでよく取り上げられている「あおり運転」を始め、万が一の保険としてドライブレコーダーは必要不可欠な存在になってきていますね。
「ドライブレコーダーのトータルコストを低くしたい」
「ネットで購入した後、自分で取り付けてみたい」
など、自分で取り付けを検討される方も最近増えてきています。自動車販売店やカー用品店でお願いすると、どうしても取り付け料金が発生してしまいます。
今回は、「そもそも取り付けることは可能なのか」についての解説から取り付けの注意点や手順。といった内容を紹介します。
目次
内藤
島田
内藤
島田
でも、やらないといけない作業はほとんど同じなんだ。それよりも誤った取り付けをしていないか。という事の方が大事だね。
内藤
島田
ドライブレコーダーを自分で取り付ける場合、特に注意したいのが、リヤカメラの取り付けです。前後方2カメラタイプは、車両後方を監視できるというメリットがあります。
しかし、配線を車両後方から、前方まで這わせる必要があり、取り付け難易度が大きく上がります。
この記事を見て頂いて、「それでもリヤカメラは自信がない」という方は、ワイヤレス機能を搭載したリヤカメラを購入する。
もしくは、360°や720°といった、全方位を記録できるカメラを搭載したものを選ぶ事をお勧めします。
結果から言うとドライブレコーダーは、どなたでも取り付けが可能な機器です。
取り付けに関し、リフトなどの工場設備は必要なく、ドライバーなどの一般的な工具があり、知っておくべき注意事項を把握頂けたのであれば、どなたでも取り付けは可能です。
自分の愛車にドライブレコーダーを取り付ける。ぜひこの記事を読んでトライしてみてください。
公道を走行するにあたり、運転者が守らないといけない法律に「道路交通法」があります。同じように公道を走行するにあたり、車両が守らないといけない法律に「道路運送車両法」というものがあります。
ドライブレコーダーの取り付けに限らず、何かを車に施す場合、道路運送車両法の保安基準に適合しなくなると、公道を走れない為、特に注意しましょう。
法律以外にも注意することがありますので、いくつか紹介します。
エアバッグが万が一展開した場合に、配線が飛んできて凶器となります。エアバッグの展開面を避けるように、配線は取り回しましょう。
ドライブレコーダーの配線を取り回す際に、水の浸入を防ぐゴムの部品を取り外す作業が発生する場合があります。
その取り付けを誤ると、水が浸入し、雨漏れの原因となります。
慎重に作業して頂けたら、よほどの事が無い限り破損はないと思いますが、ネジが残っている状態などで、無理に取り外そうとすると、破損するリスクがあります。
破損以上に可能性があるのは、パネルを取り外す際に線傷や小傷がつく事です。これらは、養生テープやマスキングテープを貼る事でほとんどが回避できますので、どんどん貼る事をお勧めします。
電源の取得を誤り、電源のプラスとマイナスがショートしてしまうと、ヒューズ切れを起こしてしまいます。
後程記載しますが、シガーソケットから電源を取得するのであれば、ショートが起きる事はほぼないので安心してください。
ドライブレコーダーの電源は、アクセサリー電源から取得するのが一般的です。
誤ってバッテリー電源から取得した場合、キーをオフにしてもドライブレコーダーの電源が落ちない為、最悪バッテリー上がりを起こしてしまいます。
ただこちらも、シガーソケットから取得した場合は、アクセサリー電源ですので安心です。
可能性はかなり低いですが、場合によっては警告灯が点灯する危険性もあります。
警告灯点灯まではいかなくても、最近では、ドライブレコーダーの電波干渉(ノイズ)により、車両の電子機器が誤作動する事例もあります。
取り付けた後に、車両側に何か起きた場合は、車両専用の診断機が必要になる場合がありますので、自動車販売会社へ相談される事をお勧めします。
内藤
島田
内藤
島田
ドライブレコーダーは、テレビやパソコンと同じように、電源が必要です。電化製品の場合、コンセントに差し込めば良いのですが、車両の電源はどこから取得するのでしょう。
以下の3つの方法があります。
一番シンプルで取りつけも楽です。ただし、見栄えが劣る。他の機器が接続できないなどのデメリットもあります。
また、シガーソケットは容易に触れる場所でもある為、シガーソケットから抜いた事を忘れていた。なんて事もある為、注意しましょう。
ヒューズボックス内のアクセサリーヒューズを取り外し、電源を取得する方法です。ヒューズを交換するだけなので、比較的簡単に電源を取得することができます。
ただし、マイナスの回路を形成する必要があったり、より確実に確認する為に、専用のテスターが必要になったりと電気的な知識が必要な場合があります。
ナビやオーディオには、バッテリー電源やアクセサリー電源が接続されている為、そこから取得する方法です。
配線がしっかりと隠れる為、見栄えが良いです。取り付けのプロが行う場合は、こちらの方法で電源を取得する事が多いです。
一般の方にもできなくはないですが、数ある配線から、アクセサリーの線を見つけないといけない為、3つの中では一番難易度が高いです。
以下に、国土交通省が掲載している、保安基準の一文をご紹介します。
しっかりと読んでも分かりにくいですが、要約すると、
つまり、運転の邪魔にならないように、上側か下側もしくはミラーの裏側に取りつけなさい。
という事が記載されています。逆にそれ以外の場所に取り付けると、保安基準不適合です。
ご自身でドライブレコーダーを取り付ける場合には、しっかりと決められた範囲を理解しておきましょう。
リヤカメラを取り付ける際は、特に注意していただきたいポイントです。配線を後方から這わせる際に、カーテンシールドエアバッグがある場合は、ルーフ(車両の上)ではなく、下側を通す方をお勧めします。
運転席と助手席のエアバッグとは別に、万が一事故が発生した場合に、車両側面から展開されるエアバッグの事で、フロント席とリヤ外側席乗員の主に頭部への衝撃を和らげるための安全装置になります。
展開面に配線があった場合、その配線が凶器となり、大変危険ですので、ご自身のお車を確認してみましょう。確認する際は、ピラーガーニッシュにSRSと表示があるかを確認すると良いです。
また、ルーフを通したい場合には、カーテンシールドエアバッグの展開面を避けるように、ワイヤーを通すようにしましょう。
全てが必要ではありませんが、各種ドライバーや10mmのソケットドライバーなどは必要になる事が多いです。
他にも作業がスムーズに行える工具として、クリップリムーバーやモールディングリムーバーなどがあります。
工具以外にも、パネルの保護や絶縁処理で使用するマスキングテープ、絶縁テープ、養生テープなどは、あると重宝します。
島田
まずはこの車で練習してみよう!
内藤
これでしっかり予習する事で説明できそうです。
島田
しっかり確認していこう。
今回はトヨタのSUV車「ヴァンガード」へ、実際にドライブレコーダーを取り付けながら、各部の脱着や注意点を説明します。
今回取り付けを行うNihon Lightingのドライブレコーダーはこちらです。
まずは電源を取得してみましょう。今回は、シガーソケットから取得する為、差し込むだけで大丈夫です。配線を隠す作業は後から行います。
シガーソケットに差し込むだけなので、すごく簡単です。少しでも作業を簡略化したい方は、シガーソケットからの取得がお勧めです。
この段階で、ドライブレコーダー本体に電源を入力させ、正常に作動するか確認すると良いです。ここで確認するのは、電源は正常に取得できているか。初期不具合が起きていないか。などです。
この後、ワイヤーハーネスを取り回して行く為、後から不具合が見つかって全て取り外さないといけない。なんて事が無いように、前もって初期動作を確認しておきましょう。
次にカメラの取り付けです。カメラの取り付け自体は、両面テープなのでとてもシンプルで簡単です。ここでは、保安基準を守る以外にも、押さえておくべき注意点や要領を紹介します。
雨天時の視界を確保する為に、ワイパーが作動する範囲内にレンズが来るように取りつけましょう。
カメラは両面テープでガラスに固定されます。ガラス面の水分や油分をしっかりと落とすことで、粘着力を確保し、脱落防止を図りましょう。
ガラスや、両面テープが冷えた状態の時は、粘着力が弱まっています。脱落を防止する為にも、必要に応じて、ドライヤーなどで温めてください。
リヤガラスは、曇り防止のために熱線が取り付けられている為、そこを避けるように取り付けましょう。
フロントに関しては、運転者の視界を遮らない位置に取り付けるよう心掛けましょう。運転席側から確認すると後席ミラーに隠れるような位置にあると良いです。
リヤに関しては、熱線部を避けるように取りつけます。どうしても熱線部に両面テープが接触する場合は、その部分の両面テープをカットすると良いです。
ドライブレコーダーが正常に作動することを確認したら、ワイヤーハーネスを隠していきましょう。全体の流れは、下記画像の①~④の順番に内貼りを外していきます。
取り外すことができたら、青線のように、トリム内にワイヤーハーネスが隠れるように這わせていきます。もともと車両側のワイヤーが通っていますので、それらに固定していくと良いです。
バックドアを通し終えたら車両の前方へワイヤーを通していきます。今回は、ルーフヘッドライニング側(上側)へワイヤーを通します。
必要に応じてバックドアトリムを外していきます。全体を見てもらい、ネジや目くら蓋が無いようでしたら、クリップやツメのみで固定されています。隙間に指をかけて引っ張ると取り外すことができます。
こちらの車両では、バックドアカーテシランプが付いていますので、こちらを取り外します。マスキングテープは内装の傷付き防止です。
ランプを外したら、パネルの隙間に指を入れ、各パネルを外します。最初は上から順番に外していきます。
大きなバックドアトリムボードもクリップのみですので、恐れずに引っ張りましょう。このように指を掛けます。
手前に引っ張りバックドアトリムボードを外しましょう。
車両側にクリップが残った場合は、クリップリムーバーを使用すると簡単に外せます。
車両によってはバックドアトリムボードを全て外さなくても良い場合があります。配線をどのように這わせる必要があるかを確認し、必要に応じて取り外しましょう。
バックドアへのワイヤーは、こちらの蛇腹内を通していきます。
まず、蛇腹の両側をめくります。
コネクタの先端をマスキングテープなどで保護します。これから、蛇腹の中へ配線を通す為、コネクタや内部の端子が破損しないよう、保護しましょう。
バックドアウェザストリップ(ゴムのパッキン)を少し浮かし、配線を通し、蛇腹の穴から出しましょう。
極力パネルを外さない事で、脱着に要する時間や、破損のリスクを回避します。※今回は、車載工具入れの隙間から、手を入れ、蛇腹の穴へ配線を通しました。
次にワイヤーを、蛇腹の中に通していきます。
※滑りを良くする為、必要に応じて556などの浸透潤滑剤を活用すると作業が楽です。
ワイヤーがしっかり通ったら、バックドア側へ配線を伸ばし、リヤカメラと接続します。
※私はフロント側とリヤ側のハーネスの向きを間違えて、再度配線を通しました。向きにも注意しましょう。
ここまでできたら、カメラの配線をバックドアワイヤーハーネスに沿わせるように固定していきます。スポンジテープやタイラップなどで固定していきましょう。
参考までにバックドアが上に開くタイプはこのように、ゴムの蛇腹とカプラがセットになっている場合が多いです。
こちらのタイプは、取り付け時にしっかりと、ゴムの凸部とカプラの凹部の位置を、合わせる必要があります。雨漏れの原因になりますので、注意しましょう。
ウェザストリップを少し浮かして、配線を隙間へ入れ、ウェザストリップを元に戻す事を繰り返し、側面のガーニッシュ部まで配線を持っていきます。
ガーニッシュ部では、パネル自体をほんの少し浮かせ、その隙間に配線を隠していきます。
リヤドアまで配線を持ってくる事ができたら、リヤドアのウェザストリップを少し浮かせ、同じ要領で配線を車両前方へ通していきます。
センターピラーガーニッシュも、パネルをほんの少し浮かせ、フロントドアまでワイヤーハーネスを通します。フロントドアも同様にウェザストリップを少し浮かせて、隙間に入れていきます。
フロントピラーガーニッシュは後程、電源のワイヤーを隠す通路にもなる為、取り外していきます。アシストグリップが、ピラーに付いている場合は、アシストグリップの左右にネジが取り付けられている為、取り外します。
取り付けられていないタイプは、引っ張る事で浮かせることができます。
車両によっては、これだけで取り外す事ができるタイプもあります。ヴァンガードの場合、クリップを回転させる事でツメの向きを変え、取り外します。
隙間に指を入れ、クリップを回すとこの様にツメの向きを変えることができます。
こちらの車両はカーテンシールドエアバッグ装着車両になる為、展開面にワイヤーハーネスが無いように注意して這わせましょう。ここまでリヤカメラのワイヤーを通すことができれば、完了です。
電源用ワイヤーハーネスは、シガーソケットからフロントカメラへのワイヤーになります。シガーソケット部はサイズが大きく、隙間を通す事が困難な為、シガーソケット側からフロントガラス面へ向かって、ワイヤーハーネスを通していきます。
足元が終わったら、ワイヤーハーネスを上の方に通し、ルーフヘッドライニングの奥に隠していきます。
リヤカメラのワイヤーを運転席側へ通している為、今回は運転席足元に、電源のハーネスを這わせていきます。
センターコンソール奥に隙間がある為、そこにワイヤーを通します。パネルを少し浮かせながら、エアコンユニットの奥へ、ワイヤーを通しています。
しかし、シガーソケットで電源を取得する場合は、運転席側から配線を出し、そのまま足元を這わせた方が簡単です。
運転席のフロアマットは、マグネットテープで固定されている事が多い為、マグネットを外し、奥にワイヤーを隠します。
ワイヤーハーネスが、足元にあると、アクセルやブレーキ操作の妨げになる為、確実に固定するようにします。
フロントドアスカッフプレートを取り外します。ツメで固定されている為、引っ張ると取り外すことができます。
カウルサイドトリムボードを取り外し、ハーネスを通します。トリムはネジとクリップ、もしくはツメで固定されています。
ネジを手で外したら、車両手前、もしくは左方向に引っ張ると取り外す事ができます。
足元が終わったら、リヤカメラのワイヤーハーネス通しの際に外した、フロントピラーガーニッシュの隙間から、電源の配線を通していきます。
※今回の電源用ワイヤーハーネスでは、リヤカメラと繋ぐワイヤーも兼用でしたので、こちらで接続します。ドライブレコーダーの種類によっては、リヤカメラのワイヤーハーネスを直接、本体まで繋げないといけないタイプもあります。
ルーフヘッドライニングへは、隙間に押し込みながらワイヤーを隠していきます。※ルーフヘッドライニングは、強く引っ張りすぎるとしわができる為、無理のない範囲で行います。
コネクタをドライブレコーダー本体に接続すると、ワイヤーハーネスの取り回しは完了です。
この作業は必須ではありませんが、参考までにご紹介します。
シガーソケットに挿入するコネクタと、オプションコネクタを接続します。
ヒューズボックスの位置を確認します。今回は、グローブボックス奥にありました。グローブボックスは、サイドのダンパーを取り外し、手前に引っ張ることで、取り外すことができます。
この中から、シガーソケット用のヒューズを探します。SIGと記入されている場合が多いです。間違ってバッテリー電源など他の電源と接続しないように注意しましょう。
接続自体は、元あるヒューズを取り外し、電源が取得できる専用のヒューズを取り付けます。
次にアースを取得します。車のマイナスはボデーから取得しておりますので、マイナス端子を、ボルトなどボデーに繋がっている金属部に挟み込みます。
最後に、余分なワイヤーハーネスを全て束ねて、タイラップなどで固定します。今回は、グローブボックスの奥に隠しました。
シガーソケットから電源を取得し、グローブボックスを取り外さない場合は、カウルサイドトリムボードの奥に隠すと良いです。
島田
内藤
島田
全ての作業が終わったら、ドライブレコーダーの作動を確認しましょう。
GPS機能が搭載されていない場合は、時計や日付のセットを。その他にも初期設定が必要な場合もありますので、取扱説明書を確認してみましょう。
車両から、取り外した部品がしっかり固定されているか、外れていないかなど確認しましょう。
パネル類が浮いていた場合、損傷や異音の原因になります。また、ウェザストリップなどの防水ゴムなどが浮いていた場合、水漏れや異物混入の原因になります。
今回は、シガーソケットのヒューズから電源を取得した為、シガーソケットが正常に作動するか確認しましょう。場合によっては、取り付けにより、不具合が発生している場合もあります。
さらにバックドアカーテシランプを取り外した為、点灯状態も確認します。
その他、ドライブレコーダーの電波干渉により、テレビの映り具合の確認やナビ側のGPSがしっかり測位できているか、なども確認しておくと、なお良いです。
※フロントガラスにテレビアンテナやGPSアンテナが取り付けられている車両は、しっかりと確認しておきましょう。
いかがでしたでしょか。
取り付け自体は、そこまで難しい作業ではない事が分かっていただけたのではないでしょうか。大事なのは、車の法律を守る事や安全、安心の為に必要な注意事項を把握する事です。
それでは今一度、取り付け要領のおさらいをしましょう。
今回使用したドライブレコーダーは、電源取得が容易で、カメラのサイズもコンパクトで、取り付けやすい商品でした。皆さんも、決められたルールをしっかり守り、楽しい取り付け作業を体験してみてくださいね。