こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
実は、フロントガラスに施工する”コーティングの種類”によって、汚れ方に違いが出るということをご存知でしたか。
もちろん、どのコーティングでも正しく施工した直後であれば、防汚性能にほとんど違いはありません。
しかし、時間が経過した時に汚れの付着や汚れの落ち方に差が出てくるのです。
今回はフロントガラス用コーティングの種類と性能の差について詳しく解説します。
目次
内藤
コーティングを施工すれば、ボディ用コーティングのように汚れが付きにくくなるのでしょうか?
というのも、僕のクルマは油膜を取り去ってもすぐに付着してしまい、雨の日の夜間走行が辛いです。
島田
原因はフロントガラスに付着する油分なんだけど、コーティングすれば油膜やウロコ汚れが付着しにくくなり、しかも虫の死骸や鳥の糞などは簡単に拭き取れるよ。
内藤
島田
結局いつも買っているコーティング剤か、有名メーカーの商品だからと購入するんだよね。
それじゃあ、「コーティング剤の種類」と「種類による汚れの付着」について解説するよ。
ガラス用撥水コーティング剤は、一般的にシリコーン系とフッ素系、そして店頭で施工する2層コートの3種類に分けられます。
それぞれメリットとデメリットがありますが、いずれもガラスにコーティングすれば、撥水効果と汚れの付着を抑えられます。
【メリット】
・価格が安い
1,000円前後の商品が大半なので、手軽に購入できるメリットがあります。
・施工が簡単
スプレー式で簡単に施工できる商品なので、洗車の際に合わせて施工をするようにすれば、撥水性能や防汚効果を保てます。
【デメリット】
・持続性がない
撥水性能や防汚効果は1カ月から3カ月程度と短いため、効果の持続を期待するならこまめな施工が必要です。
シリコーン系のコーティング剤は手軽さと価格が大きな魅力ですが、撥水効果もほかのコーティングより高いことでも知られています。
しかしシリコーン系は柔らかいコーティングなので、ワイパー作動で早く効果を落とすために、撥水効果が高い恩恵はそれほど長く受けられないでしょう。
また、シリコーン系は油分なので、劣化すると油膜形成するデメリットがあるので、シリコーン系を繰り返し施工すると雨天の夜間走行は視界が悪くなることが多いでしょう。
【メリット】
・持続性がある
フッ素系フロントガラスコーティング剤は、強固にガラスに密着するため3カ月から1年程度の撥水性能と防汚効果が期待できます。
【デメリット】
・価格が高い
長い効果がある代わりに4,000円前後の商品が多いのが特徴で、初期投資はシリコーン系に比べて高いです。
しかし、1年近く撥水性能と防汚効果が続くことを考えれば、1年に1回4,000円で済むので、使用環境によってはシリコーン系を多用するより安上がりでしょう。
また最近のフッ素系は、昔のシリコーン系のように簡単にガラスに塗布して拭き取る製品も多いので、施工の敷居は低く誰でも簡単に撥水性能と防汚効果を長期間体感できます。
2層コートは、フッ素系の強固な被膜の上に撥水効果が高いシリコーン系をコーティングするイメージです。
良いとこ取りをした2層コートですが、施工が難しく専門店で施工が一般的です。
価格は1万円を超える商品がほとんどなので、コスト的にはかなりデメリットと感じる人も多いでしょう。
持続性は、専用ワイパーを使用すると2年近く効果が持続する商品もありますが、やはりほかのコーティングと同じように使用環境により効果の持続期間は異なりますから、2層コートだから必ず2年の持続とは言い切れないといえます。
内藤
島田
内藤
島田
ウォッシャーを噴射すればボディに付着するだろ。そうするとボディに水垢付着の原因になるからね。
あとワイパーの作動範囲以外のガラスは撥水コートされないしね。
シリコーン系の防汚性能は、短期間で無くなると考えられます。
施工当初は撥水効果も高く、素晴らしい水弾きをするので、防汚性能も高く鳥の糞や虫の死骸も簡単に落とせるでしょう。
しかし、降雨時のワイパー作動が長くなるほどシリコーン系はすぐにはがれてしまい、防汚性能は失われます。
また、シリコーン系は油分なので効果が落ちてシリコーン系の被膜を落とさずに繰り返し施工すると油膜が激しくなり、逆に視界を奪う可能性もあります。
使用環境によっては、1年程度の効果が持続します。防汚性能も1年近く持ち、優れた効果を発揮します。
油膜やウォータースポットを長期間寄せ付けないので、ドライバーのストレスは軽減されるメリットが高いです。
DIYで施工するなら今はフッ素系が一番優れているといって良いでしょう。
コーティングが劣化した際は、コーティングを完全に落としてから再施工する必要があり、仮に落とさずに再施工すると表面に密着せず、効果は大幅に無くなります。
2層コートは、プロが施工するコーティングなので、防汚性能も長く持つメリットがあります。
特に専用ワイパーを使用する商品では、ワイパーを使用することでコーティングを自己修復させて2年程度の防汚効果が期待できます。
内藤
島田
そしてシリコーン系は洗車ついでに簡単に施工できるからオーナーの好みといってもいいかな。
内藤
島田
例えば施工のしやすさや価格を重視するのか、それとも耐久性が高い商品にするかといった感じかな。
内藤
島田
それじゃあ、それぞれの特徴を説明しながらどうやって選べばよいか解説するね。
フロントガラスのコーティングを選ぶ場合、施工のしやすさを重点に置く人が多いのではないでしょうか。
その施工のしやすさでは、スプレー式で簡単塗布ができる商品があるシリコーン系に軍配が上がるでしょう。
https://youtube.com/watch?v=zJdve-gCRVI%3Ffeature%3Doembed
施工方法は、スプレーして拭き取るタイプとスプレーしてワイパーをかけるだけで施工完了する2種類があります。
スプレーして拭き取るタイプには、強力なクリーニング成分を配合している商品もあり、スプレーするだけで油膜を取って撥水コーティングができる便利さです。
安価で施工が簡単なのでおすすめですが、耐久性が劣るためこまめに繰り返し施工する手間が発生します。
最近では、フッ素系でもかつてのシリコーン系のような、塗り込んでから乾拭きして完成という手軽さを売りにする商品も出てきました。
施工のしやすさで選ぶならシリコーン系ですが、フッ素系でも手軽さを売りにする商品を見つけることができれば、耐久性などを考慮するとトライする価値はあると思います。
フロントガラスは、降雨時にワイパーを使用するためコーティングをしていてもワイパーにより剥がれてしまう可能性があります。
フロントガラスにコーティングした経験がある方では分かると思いますが、雨が降ってワイパーを作動させると「ビビリ音」が発生することがあります。
ビビリ音の原因は、ワイパーがガラス表面に水の膜を張れないために発生します。
そもそもワイパーというのは、水を綺麗に拭き取るのではありません。均一な薄い水の膜を作り視界を良好にさせています。
そのため、撥水加工されたフロントガラスをワイパーで拭くと水の膜が均一に形成できずにガラス表面をゴムで擦るようになります。
これがコーティングを劣化させ、剥いでしまう原因です。
そこで、耐久性で選ぶなら強固にフロントガラスに密着するフッ素系が有利です。
フッ素系なら、3か月以上の耐久性があり、しかも商品によっては1年の耐久性があります。
撥水加工したフロントガラスは、走行風でワイパーを作動させなくても雨粒が飛んでいきます。
そこで、撥水加工を長持ちさせるなら、商品に書いてある吹き飛ぶ速度以下(ほとんどの商品は40km/h)でワイパーを使用し、それ以上になったらワイパーはあまり作動させないようにします。
もし雨滴感知式ワイパーが装備されているなら、コーティングを守るためにオートを解除することをお勧めします。
また、フッ素系だけでなくシリコーン系にも言えることですが、フロントガラスにコーティングしたらワイパーをグラファイトワイパーや撥水ワイパーに交換すると長持ちします。
それは、グラファイトワイパーは、ガラスとの摩擦抵抗を減らすために、炭素微粒子(グラファイト)をコーティングしているので、抵抗が少なくコーティング剤が剥離しにくいからです。
ただし、グラファイトワイパーだから撥水効果が長持ちするとは限りません。ワイパーを作動させればコーティングにダメージを与えます。
コーティングしていない時と同じようにワイパーを作動させることなく、雨粒が走行風で吹き飛び視界が良好であるなら、ワイパーを停止させることがポイントでしょう。
フロントガラスにコーティングするなら、撥水性能が高い商品を選びたいと考えるでしょう。
特に雨の日の高速道路でトラックの横を通り抜けるときは、トラックの水しぶきで前が一瞬見えなくなります。
しかし撥水性能が高ければ、フロントガラスにかかったトラックの水しぶきも風で飛んでいくので、視界を奪われる心配がほぼありません。
この撥水性能は、フッ素系でも高い商品はありますが、一般的にシリコーン系の撥水効果が高いといわれます。
ただ、実際にシリコーン系とフッ素系を施工した車の撥水性をみても、その違いは言わなければ分からないレベルでしょう。
ガラス用コーティングには、撥水性に優れた商品と、親水性に優れた商品の2種類がありますどちらも長所と短所がありますが、フロントガラスには親水性を不向きと言えます。
なぜかというと、親水性はガラス表面に水の膜を張って水を流す仕組みですが、この水の膜厚が均一ではないので、視界にゆがみが生じるからです。
親水性のガラスコーティングを使用する場合、ドアミラーやリアガラスなど、風圧で雨粒が吹き飛びにくい場所に使用するのが良いでしょう。
内藤
島田
内藤
島田
よく、6カ月持続とか書いてある商品で2カ月や3か月で効果がなくなったなんて話を聞くけど、基本的なことが守られていないことが多いんだよね。その辺を解説するよ。
フロントガラスにコーティングを施工する場合、洗車せずにタオルでガラスを吹いてササッとコーティング剤を塗布している人を見かけますが、そのような方法では長持ちしません。
重要なのは施工前の洗車です。
洗車をしっかり行い、ガラス面に付着した油分やウォータースポット汚れを綺麗に落とすことで、施工後の撥水性能や持続性が大きく変わります。
特に問題となるのが油膜です。ワックスがけをしているクルマだけでなく、排ガスに含まれる油分により、フロントガラスには油膜が付着するので、その油膜除去を行わなければコーティング剤はフロントガラスに定着しません。
洗車をして、フロントガラスの油膜除去を綺麗に行うことで、撥水性が高く長持ちするコーティング施工ができるでしょう。
雨の夜間ドライブで、フロントガラスがギラギラしたときに油膜を疑いますが、その油膜は外側ではなく車内に付着しているのが原因の場合があります。
ガラスの内側は、外側と異なり掃除がしにくいことから、ついつい掃除が後回しになっている人が多くいます。
しかし、内側にも外からの汚れや手あか、油汚れなど、多くの汚れが付着しやすいので外側と思っていた汚れが実は内側である可能性があります。
そこで、内側の汚れを落としてみるとよいでしょう。また、内側にもコーティングすれば汚れが付着しにくくなり、さらにクリアな視界確保が期待できます。
内藤
島田
ただし、内側のガラスは掃除しにくいからね。丁寧に筋が残らないよう入念に掃除する必要があるけどね。
日頃から撥水コーティングしている人も増えましたが、撥水効果がなくなった場合にその上から新たにコーティングしても効果は長続きしません。
それは劣化した古いコーティングの表面は凸凹しており、その凸凹に汚れが吸着しているからです。
もし、そのまま塗り重ねると汚れをコーティングで閉じ込めることになり、さらに凸凹しているので、雨の日は視界不良の原因になるでしょう。
そこで新たにコーティングする場合は、下地処理を丁寧にします。
この下地処理は、シリコーン系なら比較的簡単にできますが、フッ素系は強固にガラスと密着しているので、ウォータースポット落としなどを使用して、完全にリセットします。
内藤
島田
フロントガラスの撥水コーティングは、ワイパーの作動での耐久性はありますが、それでも長くて1年程度しか効果の持続はありません。
どうしても摩擦抵抗がかかると剥がれてしまうことが理由ですが、洗車の時もガラス面に力を入れてごしごし洗うと耐久性が落ちてしまいます。
そこで、コーティングしたガラス面はできるだけ優しく洗車しましょう。そうすることで長くコーティングを持たせられます。
特にシリコーン系はシャンプーの種類や強くこすることで簡単に落ちるので、洗車ごとにコーティングをするつもりでいたほうが良いといえます。
コーティングした後に付着した汚れは簡単に拭き取れます。
ただ、汚れを放置すると汚れの成分によっては、コーティング被膜を破壊して、フロントガラスまで汚れが到達して固着する可能性があります。
そのため、汚れたらすぐに拭き取るようにしましょう。
特に鳥の糞や虫の死骸には酸が含まれているので、コーティングだけでなくその下のガラスにも悪影響を及ぼすので、コーティングで汚れが止まっている早期に落とすようにします。
汚れを早く落とせば、コーティングが痛むこともないので、長期間撥水性能が持続するでしょう。
内藤
島田
でも、コーティングしていれば楽に洗車できるし汚れもすぐに落ちる。
そして雨の日の視界も良好だから安全運転に強い味方だよね。
内藤
今回もいろいろとありがとうございました。
フロントガラスへのコーティングには、親水より撥水コーティングが向いています。
撥水コーティングの種類としシリコーン系とフッ素系がありますが、手軽さや価格では昔からあるシリコーン系が有利な反面、長続きしないデメリットがります。
そこでコーティングするには、フッ素系が長期間撥水効果と防汚性能が持続するのでお勧めです。
より長期間持続させるには、施工前の下地処理が重要であり、油膜などの汚れをしっかり落として施工するようにしてください。
そうすれば、長期間良好な視界を確保できるでしょう。
日本ライティングでもフロントガラス用コーティングを製造・販売しております。