こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
ガラスコーティングは、硬いガラスの被膜なので失敗するとリカバリーが難しいと思っていませんでしたか。
硬いガラスの被膜とは言え、一番硬くても鉛筆硬度で9H程度となります。
つまり、研磨剤を使用すれば簡単に削り落とすことが可能です。
この記事では、どうすれば失敗からリカバリーできるか、剥離の仕方に視点を置いて、詳しくお伝えします。
目次
内藤
当日は気づかないのですが、しばらくして洗車したらムラがあったなんて事もあります。
そういう時のやり直す方法を教えて欲しいです。
軽トラマニア小泉
でも、ガラスコーティングのリカバリーは意外に簡単だから慌てることは無いよ。
内藤
軽トラマニア小泉
どちらもやり方を守ればリカバリーは誰でもできる。どんな風にリカバリーするか解説するね。
ガラスコーティングは塗布後すぐに完全硬化しません。つまり、完全硬化する前であればリカバリーが可能な場合があります。
塗布後にムラがある部分をすぐに気づけば、ガラスコーティングはまだ乾いていないので、塗り伸ばせばムラは取れます。
ガラスコーティングには「表面硬化」というのがあります。
※表面硬化についてはこちらの記事をご確認ください。
表面硬化が完了するまでは雨に濡れないように保管する必要がありますが、表面硬化が完了するまでなら、コーティング剤を再塗布して塗り込むとムラが取れることが殆どです。
問題は、水に濡れても良い状態のガラスコーティング、つまり表面硬化が完了した場合です。
塗布後から硬化は始まっていますが、表面硬化完了から完全硬化に至らない状態の期間は、コーティング剤を再塗布してもムラが取れないことがあります(商品によっても異なるので、実際に作業してみるまではわからないのが現状です)
その場合は、再塗布は諦め、ガラスコーティングを剥離します。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
キレイに除去するにはやはり研磨が良いのでしょうか。
軽トラマニア小泉
まずはそれぞれの特徴を解説するよ。
世の中には、強酸性や強アルカリ性の洗剤が販売されており、それを使いガラスコーティングを除去できないかチャレンジする方もいます。
また、カー用品店で販売されるポリマー除去シャンプーで何とかならないかも考えるでしょう。
しかし、どの方法も確実に落とすことはできません。ガラスコーティングが塗装表面に強固に固まっていると、ガラス成分を溶解できるほどの薬剤で無ければ難しいでしょう。
ちなみにガラスを溶かせる薬剤は、「フッ化水素」が有名ですが、様々な物質に極めて強く化学反応を起こすので、取り扱いは注意しなければなりません。
そのため、一般の方が安易に使用すると危険などでやめたほうが良いでしょう。
カー用品店には、水垢落としシャンプーが販売されていますが、研磨剤を含む商品は意外に活用できます。
その理由は、強固に付着したイオンデポジットなどを落とす商品であれば、含有されているコンパウンドでガラスコーティング(正確にはガラス被膜ではなく撥水部分)を研磨して落す効果があるからです。
商品を選ぶ基準は、強固に水垢を除去できる商品で、スポット的にも使用できる水垢落とし剤が良いでしょう。
水垢落とし剤には、ホワイトボディ系のような淡色カラー向けの商品と、ブラック系の濃色カラー向けの商品が販売されていますが、違いは含有されるコンパウンドの目粗さと含まれるコンパウンドの量です。
濃色車は洗車キズが見えやすいので、なるべく細かい研磨剤が少量配合されているだけですが、ホワイト系は、研磨剤の粒子が濃色車より少し粗く、そして含まれる量も多くなっています。
そこでコーティング剤の剥離に使用する場合も、ボディカラーに合わせて水垢取りを選ぶようにします。
また、すべてのボディカラーに使える水垢取りもあるので、わからなければ、そのような商品でも問題ないでしょう。
今回水垢落とし剤で除去する方法は、ガラス被膜まで完全に落とせない可能性があります。再施工する際に影響してくるのは撥水部分であり、こちらを完全に除去することでガラス被膜の上から施工しても密着性には問題ございません。
ガラスコーティングの剥離は、コンパウンドを使用した方法が確実です。
コーティングの被膜は、塗装の厚さに比べたら非常に薄く、僅か0.1㎛~0.2㎛程度しかないと言われます。
つまり、研磨剤であるコンパウンドを使用して磨けば除去可能です。
注意点としては、コンパウンドの研磨力はかなり高く、使用したことがない方やコンパウンドの知識が無いとガラスコーティングの下の塗装をあやまって削ってしまいます。
また、コンパウンドには粒子の種類が豊富であることや磨きに使うウェスやスポンジの硬さでも研磨能力が変わるなど取扱が難しいです。
例えば、粒子が非常に細かい超微粒子(淡色車の仕上げにも使用できる)コンパウンドを使用する場合、硬いスポンジで磨くと研磨能力が上がりあっという間にガラスコーティングを剥離し、その下の塗膜まで研磨してしまいます。
逆に、柔らかいスポンジを使用するとスポンジによる研磨能力は抑えられますが、コーティング被膜を完全に剥離できない可能性があります。
内藤
軽トラマニア小泉
もちろん、プロも目で見てわかるわけではない。経験でどの程度の力で磨くと剥離できるのか理解しているから可能なんだ。
内藤
軽トラマニア小泉
水垢落とし剤には、研磨剤となるコンパウンドが配合されている商品を使用すれば、ガラスコーティングの剥離ができます。(正確にはガラス被膜ではなく撥水部分の剥離)
それぞれ使用方法が商品に記載されているので、それを守って使用してみるとよいでしょう。
最初に、車両をキレイに水洗いして、埃などを落とします。
そして、画像のように水垢落とし剤を使用して、ガラスコーティングを除去していきます。
動画を説明すると、黄色いマスキングテープで囲った部分に水垢落としを使用しました。
それほど強くこすることなく、短時間でサッと擦った程度で1回目を終了し、水をかけてみると、すでに親水しているのがわかります。
しかし、落ちていない部分がマスキングテープの脇にあるので、もう一度水垢落としで磨きます。
そして再度水をかけてみると、全体がキレイに親水し、ガラスコーティングが全て除去できたことがわかります。
内藤
軽トラマニア小泉
その場合は根気よく繰り返すことだね。
コーティング剤はもともと撥水効果はなく親水します。撥水にはフッ素やシリコンなどの成分を追加することで水を弾くようになります。
今回、水垢落とし剤で親水状態になったのは、撥水部分がキレイに除去されたからでガラス被膜は除去されていません。
再施工する際に影響してくるのは撥水部分であり、こちらを完全に除去することでガラス被膜の上から施工しても密着性には問題ございません。
完全かつ確実にガラスコーティングを剥離するならコンパウンドに勝るものはありません。
コンパウンドの選び方は、細目と極細目、そして超微粒子の3点を用意すると完璧です。
そして、初めてコンパウンドで磨きにチャレンジする場合は、機械に頼らず手磨きで行います。
なぜなら、自分の手のスピードで磨くので、間違いが起きる前にストップできるからです。
手順としては、そのままウェスなどにコンパウンドをつけて磨いてもよいですが、磨く圧力が均等にボディにかかるように、あて板を使用すると作業効率が上がります。
コンパウンドを付ける場合、多すぎるといつまでたってもコンパウンドが乾燥しません。
理想としては、20cm四方を手磨きする場合、小豆大2つ程度のコンパウンドで磨くようにします。
手磨きの方法は、動画のように直線的に動かして磨きます。そして優しく力を加えずに磨きましょう。
力を入れると、研磨剤が塗膜に深く入り、研磨キズの修正が必要になるので注意します。
ガラスコーティングの被膜は非常に薄いので、軽くなぜるように磨くだけで剥離できます。
こちらの動画は、手磨きのダメな例です、円を描くようにコンパウンドで磨くと、磨きにムラが出来てしまいます。
そこで、上下左右斜めなどの直線的な磨き方で磨きましょう。
中には、ポリッシャーも円を描いているという方もいるでしょう。しかしポリッシャーの円運動は均等に円を描き磨いているので、磨きムラができません。
もっとも、丁寧に円を描いて磨けるのであれば問題ありません。
剥離作業では、ドアハンドルなどの境目など細かい部分も剥離しなければなりません。
この時に、コンパウンドが付着すると悪影響が出る部分にはマスキングしてから始めます。
動画のように細かい部分は指の先を使い、磨きを入れます。
この時に、同じ場所を磨き続けるのではなく、少し広めに大きく動かして磨くのがコツです。そうすることで、パーツとの際も均一に研磨してガラスコーティングの剥離が可能です。
そして、コンパウンドは、細目で磨いたら極細目、そして超微粒といったように粒子を段々細かくして塗装の肌を整えるようにします。
内藤
軽トラマニア小泉
でも、ガラスコーティングの施工でムラなどが発生して失敗する部分は、クルマ全体じゃないだろう。
例えばドアの一部分とかのはずだから、パネル1枚を磨くだけでいいと考えるならそれほど苦痛じゃないと思うよ。
コンパウンドの扱いに慣れているなら、ポリッシャーの使用に挑戦してもよいでしょう。
最近では、シングルアクションではなくダブルアクションやギアアクションポリッシャーが登場しており、研磨キズが入りにくく、研磨能力が高くなっています。
しかし、基本的なポリッシャーの使用方法は、コンパウンドを付けてボディの上を滑らせて磨くので同じです。
ただ、回転するバフ運動がそれぞれ異なるので、初心者は研磨力の少ないダブルアクションを、そして少し慣れてきたらギアアクションを使用するとよいでしょう。
ちなみにシングルアクションは、研磨力が高く簡単にガラスコーティングを剥離できますが、その代わりに濃色車ではオーロラマークと呼ばれる光による研磨キズのギラギラが発生しやすいため、初心者にはお勧めしません。
ポリッシャーについてこちらの記事で解説をしています。合わせてお読みください。
まずは、バフにコンパウンドを付けます。
この時につける量は40cm四方を磨く場合に小豆大で5個ほどを目安にスポンジバフにつけます。
ボディにつけて磨いてもよいですが、コンパウンドは長くボディに付着させるとシミの原因にもなるので、慣れていない方は特にスポンジにコンパウンドを付けて作業します。
ポリッシャーは、しっかりとボディに押し付けます。
回転運動がかなり強いので、しっかりポリッシャーをホールドしていないとあらぬ方向にもっていかれるので注意しましょう。
ポリッシャーがけを始めるには、スポンジにコンパウンドを付けてすぐにボディに押し当てて回転させるのではなく、バフについたコンパウンドをボディの磨く面に伸ばしてからポリッシャーを回転させます。
もし、そのまま回転させると、回転による遠心力でコンパウンドが飛び散り、付着して欲しくない場所をコンパウンドで汚すことになるので注意しましょう。
通常の磨きはじめは、ゆっくりと移動させてムラなく磨くようにしましょう。
また、トリガーのオンオフを繰り返すことで、回転運動に強弱が付けられ、磨きが単調にならなくなり磨きキズを抑えられます。
内藤
軽トラマニア小泉
だから、意外と普段使わない筋肉を使うんだよね。
内藤
ガラスコーティングのリカバリーは可能だけど、出来るだけ丁寧に施工して失敗しないようにしないと辛そうですね。
軽トラマニア小泉
一番手間がかからないと思うよ。滑りもよく本当に剥離できているか水をかけて確認できるからね。
ガラスコーティングの剥離は、研磨剤を使用するのが基本です。
コンパウンドを使用すれば、比較的楽に研磨できますが、何処まで研磨できたのか、そして本当に剥離が完了しているのか確認ができません。
そこで、おすすめは、コンパウンド配合の強力水垢落としです。
これなら、水をかけて親水していれば剥離が完了したとわかるので、初めての方でも使用しやすいでしょう。
正確にはガラス被膜ではなく撥水部分の剥離。撥水部分が再施工の邪魔をします。ガラス被膜の上から再施工しても密着性は問題ございません。
しかも、研磨しすぎで塗膜を削りすぎる心配もありませんから、安心してガラスコーティングの剥離が可能です。
https://www.zwebonlinestore.com/blog/coating/3915/