こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
イオンデポジットがガラスコーティング施工車に付着する事例をよく聞きます。
落とす方法について以下のような質問をインターネット上で見かけましたので、ぜひ回答をお願いします。
ガラスコーティング車のイオンデポジットについて教えて下さい。イオンデポジットを取るには、酸性の除去剤で磨かないと取れないようです。
コーティング車用の除去剤でも、酸性のようでコーティングが取れるトラブルが発生しているようです。で、弱酸性の石鹸(ビオレ)で代用したら、どうなりますか?
専用の除去剤よりも、効果が弱いのであれば安心なのですが。詳しい方、教えてください。
島田
弱酸性ビオレを思いつくのも凄いけど、その辺を踏まえて解説するよ。
イオンデポジットを落とす除去剤は酸性タイプが多いです。
ガラス成分である二酸化ケイ素(SiO₂)を溶かせる成分は、フッ化水素酸(フッ酸:HF)やフッ化アンモニウムなどです。
上記のコーティング施工車にイオンデポジット除去剤を使用して不具合が出た原因を考えてみると、酸性タイプの溶剤を使用した可能性が考えられます。
弱酸性の石鹸(ビオレ)で代用したら、どうなりますか?
専用の除去剤よりも、効果が弱いのであれば安心なのですが。 詳しい方、教えてください。」
弱酸性ビオレの効果(落ちる)についてですが、一般に販売される除去剤のPH(ペーハー)はPH3前後が多いようです。
そして弱酸性ビオレについては、メーカーは数値を公表していませんが、人の肌に近いPH4.5からPH5.5程度と予想されます。
そして、面白い実験を東京家政大学で行っており、市販される洗剤がどの程度のPHなのか測って公表しています。
それによると、エッセンシャルシャンプーがPH4.0で、かなりの酸性度でした。また、ビオレはPH6.1でした。
・検証資料
つまり、人が使う洗剤は、あまり酸性が強くない商品が多いため、イオンデポジット落としには向いていないと言えます。
洗顔料やボディソープは、人の皮脂汚れを落とす成分は配合されますが、クルマのボディに付着した汚れを落とす成分は配合されないので、期待はほとんどできません。
そして、身近にあるものでPHが強いものと言えば、レモンやコーラもかなりの酸性で胃酸とほぼ同じのPH2.0です。
だからといって、レモンをイオンデポジットに塗っても取れません。
つまり、汚れとして付着しているイオンデポジットを取り除くには、様々な薬剤が成分に含まれていなければ難しいからです。
このほか、家庭の掃除用品にクエン酸を使用する方法がありますが、クエン酸はクルマの塗装にダメージを与えるほか、モールなどにも悪影響を与えます。
また、ボディにはイオンデポジットのほかに油分なども含まれるのでクエン酸ではキレイにできるとは限りません。
様々なところに酸を含む商品がありますが、イオンデポジットを落とす場合は専用品でなければかなり難しいでしょう。
どうしても心配な場合はカー用品を扱う量販店で販売するイオンデポジット除去剤を使用することです。この時に、くれぐれもウォータースポット落としと間違えないようにして下さい。
ウォータースポット落としは、研磨剤が含有されている商品がほとんどなので、ガラスコーティングはあっという間に剥がれてしまいます。
内藤
島田
イオンデポジット除去剤をコーティング施工車に施工すると剥がれる恐れがありますので十分に注意をしてください。